日本と中国 2010 5 22

 日本と中国の関係について、
今年、3月27日に「沖縄と中国」という文章を書きました。
 温家宝首相の来日が近づくなかで、
誤解があると困りますので、補足説明を追加します。
 「沖縄と中国」という文章は、「今すぐ」という話ではなく、
数十年後の未来について書いたものです。
 同様に、別の日の文章でも、
「台湾が中国の省となり(つまり台湾省)、
沖縄を含む南西諸島が、中国の自治区になる可能性がある」と書きましたが、
これも、数十年後の未来について書いたものです。
 胡錦濤国家主席も、温家宝首相も、
日本をよく知っている世代であり、日本に対する覇権主義はないと思います。
両氏とも、合理的で、実務的な政治家だと思います。
 問題は、現在、中国の指導者層において、
日本をよく知っている世代が減少の一途をたどっており、
そういう世代が少数派となったとき、
日本に危機が訪れるという意味で、一連の文章を書いたわけです。
 こうした安全保障の問題は、数十年単位で考えておく必要がありますので、
日中関係に遠慮して何も書かないというわけにはいかないのです。

沖縄と中国 2010 3 27
 最近、日本国内では、
沖縄の海兵隊基地の問題で大騒ぎとなっています。
 この問題に関しては、一見、無関心を装っている中国も、
本当は、手に汗握るような思いで見ているでしょう。
 もし、将来、気候変動や自然災害がなかったら、
中国は、経済的にも、軍事的にも世界最強の国となるでしょう。
 そこで、もし、あなたが中国の軍事指導者だったら、どう思うでしょうか。
まず、机の上に、世界地図を広げてみる。
千島列島や樺太がロシア領であるように、
台湾や南西諸島が中国領であっても不思議ではないと思うでしょう。
(ここでは、南西諸島とは、西表島から種子島までと定義します)
 ただし、これは妄想に終わるでしょう。
現在のところ、日本は、アメリカに次ぐ経済大国で、
沖縄には、世界最強のアメリカ軍が駐留しているからです。
 しかし、将来、日本経済が衰退し、
アメリカ軍が沖縄から撤退した時、
このような妄想は、現実のものと変わるでしょう。
 アメリカが発展する時、
アメリカの国力は、西へ拡大してきたのです。
東海岸から西海岸へ、
西海岸に達すると、次は、ハワイ。
戦後は、ハワイから沖縄まで拡大したのです。
 中国が発展する時は、東へ向かうでしょう。
東シナ海、東太平洋、ハワイ。
中国が東へ拡大する時、南西諸島は、ちょうどよい橋頭堡となるでしょう。
 半島や諸島(列島)は、海の勢力にとっても、陸の勢力にとっても、
必ず、橋頭堡として使われることになるのです。
 そういうわけで、半島や諸島(列島)に住む人たちは、
賢く生きなければならないのです。
つまり、常に国際情勢に敏感である必要があるのです。
 誤解のないように書きますが、
以上の文章は、あくまでも軍事的・地政学的観点から書いたものです。
 現在、日本と中国が目指しているところは、
経済発展や経済的な繁栄です。
















































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